筒井康隆全集2巻に収められている週刊読書人1966年11月掲載『岩崎書店「SF世界の名作」刊行の意義』というエッセー*1に出てくる一冊。市役所食堂で30分、いや小一時間で読み終えました。
一体いつ書いたのかナゾの訳者福島サンの解説によると、作者の人はルクセンブルグから米国に帰化した秀才で、なぜ渡米したかというと、自身の発明の特許申請がフランスでもドイツでもはかばかしくなく、旧大陸はダメだと思ったからだそうです。成功したのちは日本のラジオライフの米国版というわけでもないでしょうが、『モダン・エレクトリックス』という実用雑誌を運用して、そこの穴埋めに人生初の小説を発表した、それがこれだそうです。この路線にハマったガーンズバックサンは、かの『アメージング・ストーリーズ』を創刊し、ヒューゴー賞のヒューゴーはここから来たわけです。ネビュラ賞はネビュラサンからではありません。
それはそれとして、ハオ・ジンファンサンなど中国SFを読んでた時にはっと思ったのが、中国ではヒューゴー賞は米語読みされてない、おそらく仏語かスペイン語読みの「ユーゴー」を漢字の音にあてはめて、"yüguo"(ユィグォ)と読んでる、ということです。ヴィクトル・ユーゴーと同じ漢字をあててますので、もうユーゴーはぜんぶユーゴーだと割り切ったのだと思います。ヒューゴーは認めない。日本のSF好きが中国のSF好きと話をしていてヒューゴー賞の話になった時、ユィグォがヒューゴーと日本人が分かるのか、ヒューゴーがユィグォと中国人が分かるのか、そこは勝負だと思います。ハオ・ジンファンサンの本を読んだ時すでに面食らって理解した私は分かる。


イラストの人は現在は「TLコミック「部長の夜テク~」女性漫画「溺愛亭主にさせてやる」連載中です。」と舊ついった(現えっくす)に書いておられます。少し絵柄がちがう。本作に関しては日本語版ウィキペディアが頑張っていて、どこをどう抄訳したのかが分かるようになっています。
ウィキペディアによるとニューヨーク紹介は全面カットとのことですが、食事はぜんぶ液体の場面など、そこそこ残ってると思いました。貨幣についての箇所がないというのは納得。

液体の食事をする場面。火星人と地球人の通婚禁止についても省かれているそうで、しかしまあ福島サンはそのかわり、火星の表面に見える筋が運河で、火星には地球より進んだ文明があると信じられていた時代があったことを紹介しています。その説はやがて否定され、火星人なんかいないということが明らかになったので、その辺バッサリいったのかもしれません。ウィキペディアによると、この小説が世界で一番最初に睡眠学習のアイデアを書いたそうですが、何処に書いてあるのか分かりませんでした。ロケットや反重力装置が実現していないことは分かります。


右の恋仇フェルナンは、原作では色の浅黒い人物になっていたとウィキペディアに書いてありました。
発明王の英訳はすなおにキング使って書きましたが、ニューヨークの不動産王はキングじゃないそうで、トラソプサンの場合、"real-estate mogul"だったそうです。もしくはリアルエステート・タイクーン。


天才発明家の主人公はテレビ電話の混線でスイス人のヒロインと知り合い、あまたの恋のライバルを蹴ちらし、かつまた死んでしまった恋人を反魂の術であれするわけですが、インターネット時代からすると、混線とかありえないと思います。忘年会ではスカイプがなくなってほんとに大変という声を複数聞きましたが、スカイプも混線しないと思います。むかしの電話は混線してましたが、いつからなくなって、またそれはどうしてなんでしょうね。どういう技術革新の結果だったのか。
ウィキペディアに詳しく説明がありましたが、文系なので分かりませんでした(てきとう)

見返し。本書のウィキペディアを書いた人はメチャクチャ興が載ってたみたいで、「完璧超人」とか「ヤンデレ」とか書くほど筆が滑ってます。「ヤンデレ」は意味が分からなかったので、調べました。

仲間由紀恵のごくせんはヤンクミですが、病んだ久美チャンではありません。ヤソキーの久美ちゃん。
大日本除虫菊・キンチョール・レラレラ TVCM 30秒 | 東京コピーライターズクラブ(TCC)
あっトンデレラ あっシンデレラ
病んでレラ。以上