ベトナムフェスタin神奈川2022レクチャープログラム〈未来へつなぐ「平和」 ~難民だから見えたもの~〉Lễ hội văn hóa Việt Nam tại Kanagawa 2022Chương trình bài giảng <"Hòa bình" kết nối với tương lai ~ Những gì tôi đã thấy bởi vì tôi là một người tị nạn ~>

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/stantsiya_iriya/20220828/20220828084239.jpgグーグル英訳:

Vietnam Festa in kanagawa 2022
Lecture program
<"Peace" connecting to the future ~ What I saw because I was a refugee ~>

おそらく諸般の事情から、公式プログラム*1には「(1) 県内在住のベトナム人による体験談 」としか書いてない企画。

2014年に在日本ラオス協会の方の講演*2を聞いた時、代々木のタイフェスタも大使館関与しないのでお金の関係で二年に一度しか出店出来ないし、愛川町に開いた寺院*3へ本国から呼び寄せた僧侶の渡航費も在日ラオス人各位もちよりなんだけど、身元引受人が大使館である関係で、在日ラオス人に対し、大使館から、難民という言い方はしてくれるな、我々があなた方を迫害したみたいじゃいか、みたいな話があったのを受けるかたちで、ラオス人の場合在外ラオス公民なわけなのを、まず念頭に置いて聞きました。

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下の写真は上の本の表紙。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/stantsiya_iriya/20210710/20210710215528.jpgで、今日の講演はもう難民難民連呼で、聞いてるこっちが、主催に名を連ねる駐日ベトナム社会主義共和国大使館に忖度しなくてインカ帝国とヒヤヒヤしました。ゴルゴ13に最近出た南ベトナム亡命政府*4とか関係なくても、ラオスの話を聞いてしまっていて、ベトナム社会主義国家ですので、ちょっと。

乗ってた船のスライドを見ると、右の写真より、ぜんぜん小さいです。まあ日本で、県警の鼻先で、ベトナム公安がミッションを起こすような金大中事件ベトナムバージョンはさすがに、元首相殺傷事件の傷が癒えぬこの晩夏にkえして起こりえないことは分かってますが。

で、小さな舟で、わざと台風の時期に(公安の警戒も手薄になるので)出航するそうで、その時点ではすみ某のような人たちからすると突っ込みどころ満載*5、と思いましたが、もちろん質疑応答はありませんでしたし、本講演の主題は、「感謝」そして、忘れ去られることなく、関心を持ち続けてほしい、ですので、本来ならバッティングしようもない。

事前の告知では30席ほどということで、急いで行ったのですが、60席ほどで、立ち見も含み、ほとんど埋まりました。ご本人は、苗字でなく名前がトランと書いてチャンと読む人でした。苗字のトランさんは、『ベトナム難民少女の十年』のトラン・ゴク・ランさんや、ノルウェーの森の映画監督をしたトラン・アン・ユンさんなどで知っていて、しかし現地ベトナムで、日本でいえばチェリオみたいな炭酸飲料が"TRIBECO"と書いて「チベッコ」と呼ばれているのを聞いてましたので、"tri"と書いてふつうは「チ」で読むが、人名の場合だけ「トリ」と読むのだと私は勝手に解釈していました。

https://tribeco.com.vn/

今、検索して、どうもベトナム語ではなべて"tr"は「チ」なのだけれど、宗主国のフランス人がそうは読めないので、フランス人にあわせて自分たちも、フラ語をさべる時は「トラン」と読んでいて、それをアメリカや日本にも適用拡大していただけだったようです。「呂」は風呂の「ろ」か呂布の「りょ」か。

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Trầnは、現代の正しいベトナム読みでは「チャン」である(ベトナムの人名も参照)

この講演ではそこには触れず、名前の"Thi"という部分が、女性を表す区別の箇所だという説明がありました。これは、知らなかったです。阿奈井文彦という人がサイゴン陥落前にフルーツアイランドかどっかのベトナム残留日本兵を取材した際、年齢によって中高年男性への敬称がけっこうこまかく分かれているのは読みましたが、そもそも論で、男女を分ける字が入ってるケースと、ないケースが混在しているわけで(女性は入ってる時があるが男性はほとんどない、みたいに)しかも海外向けだと、レ・リ・ヘイスリップのように、必ずしも入ってないかったりするので、気が付いてませんでした。今、大同生命国際文化基金ベトナム文学の邦訳をさらっと見ましたが、Võ Thi Xuân Hà(ヴォー・ティ・スアン・ハー)という人と、もう一人が短編で見つかったくらいでした。

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ベトナム現代短編集 2|アジアの現代文芸の翻訳出版|翻訳出版|事業紹介 | 公益財団法人大同生命国際文化基金

今現在神奈川県には172の国と地域の人が暮らしているそうで、中国籍ウイグル人なんかも分けるとさらに増えるんだろうと思います。人口の多い順ベストファイヴは①中国②ベトナム③韓国④フィリピン⑤ブラジルで、二年位前にベトナムが韓国を抜いて二位に浮上したんだそうです。そりゃフェスタやるわけですね。ブラジル五位も意外でした。ペルーのほうが滞留多いかと思ってましたので。

<2022/9/16追記>だいたいこういう外国籍人口というのは、外登に基づいてやるわけで、大和民族とその他の民族の民族別分布人口比率調査を、本人申告世帯申告に基づいて、ダブル、クオーターまでていねいに記入頂いて、国勢調査でやるわけでないので、当然帰化世帯は入ってないわけですが、外登ということになると、その必要のない、ので当然外国人登録もされていない、フリーハンドの米軍関係者人口が漏れてしまうのが痛いところです。別交渉で暮らしてるわけでもないので、その県の米兵軍属とその家族を統計に入れれば、神奈川県や沖縄県は当然上位五位にアメリカ合衆国が入って来るでしょうし、愛知県や群馬県は入ってこないということになります。<ここまで>

TVKのアナウンサーの人と、泉区の、公共関係の方でしょうか、が、司会進行役でした。

難民航海の苦労話はライブで聞くとさすがに真剣で、来日後のゴッツンの数々も、興味深く聞きました。目上の人と話す時は腕を組むのがベトナムのこどもへのしつけで、それを日本の小学校のクラスでやると、何か空気が流れるという部分は特に。民間療法を虐待と間違われるという話は、例の有名な、《北京人在纽约》にも登場する、米国のユダヤ人と漢人夫婦の離婚親権裁判で、漢方薬を飲ませたことを、枯れた草木や昆虫の死骸を喫させる児童虐待として取り上げられ敗訴する?場面を想起しました。遠足で、弁当箱を持ってきなさいということで、親に頼れないので、自分で調べて、弁当箱を買って持っていったら、中身も持ってこなければいけなかったというポカの話は、聞いてて複雑でした。弁当自体は中国にはあるので、中国人だったら感づいただろうとか、いや、遠足というしばりなので、中身は現地で配給されると思ってもおかしくないとか、いろいろ考えました。

この人の講演でさいごに"You Raise Me Up"が流れたわけで、ほんとに、いちょう団地まではよく観察してませんが、戦後派のお店ではベトナム語ポップスなのに、難民二世三世のお店では洋楽という、自分の知っている事実と合致するので、その辺も興味深かったです。その二世三世は無国籍問題にも直面しているとか。私はカンボジアからバイクニケツで陸路でサイゴンに戻る途中、カオダイ教のタイニンで、元空軍パイロットの英語話者のおうちで休憩し、お茶をごちそうになったことがあります。まあ軍人だからといって、みんながみんな亡命したわけではないということなのですが… ウイグル人は婚姻届けとかを日本大使館で受理せず、本国でなければ手続き出来ないと言われ、そのとおりにすると失踪、獄中にいることがのちに分かる展開になったりするそうなので、そういう理由での無国籍二世三世が発生する国・地域があることは、人権被害マンガを「買え」とつぶやいた人も理解してると思います。

有休がとれたので行きましたが、元自衛官の方がお子さんの結婚式を早退でなく有休で出席していたら、行けませんでした。感謝します。以上