県央シネマvol.85「劇場版 荒野に希望の灯をともす」په دښته کې د رڼا امید "Light Hope in the Wilderness." 劇場鑑賞

お彼岸前のお墓掃除をぶじ午前中に終わらせて、午後見ました。

百の診療所より一本の用水路を

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One irrigation canal than one hundred clinics!

ーこれは「生きるための」戦いだー

دا د "ژوند" لپاره جګړه ده

This is a battle "for life".

アフガニスタンパキスタンで35年に渡り、病や貧困に苦しむ人々に寄り添い続けた、医師・中村哲

ډاکټر تیتسو ناکامورا، هغه ډاکټر دی چې له ۳۵ کلونو راهیسې په افغانستان او پاکستان کې له بې وزلۍ او بې وزلو خلکو سره مرسته کوي

Dr. Tetsu Nakamura, a doctor who has been close to people suffering from illness and poverty for 35 years in Afghanistan and Pakistan.

『天、共にあり』は英訳版"Providence Was with Us: How a Japanese Doctor Turned the Afghan Desert Green. "があるので、それで、なんとなく映画のタイトルだけでなく、煽り文句もグーグル翻訳してみました。英語と、パシュトゥー語で。パシュトゥー語は日本ではほとんど教材がないと思ってましたが、中村医師は、それも作ってました。九大図書館からpdfがDL出来るそうで。とんでもない。

実用パシュトゥ語会話 初歩の初歩 : 現地赴任者のための[1996年1月版] - 九大コレクション | 九州大学附属図書館

kouya.ndn-news.co.jp

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おなくなりになられた直後のNHK放送ドキュメントでは、ナレーションが斉天大聖塚本晋也でしたが、今回は石橋蓮司

私は、令和元年九月に初めて講演を聞いて、同年十二月に訃報を聞いています。

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私も名前だけのペシャワール会会員ですが、わりと後付けで入ってるので、入ってから中村医師の著書をババババッと斜め読みして、①国会演説の米国批判が新左翼中心にウケたが、②特に井戸掘り時代ですが、ほかの国際NGOを援助金目当ての手抜き工事と罵倒し、信頼出来るのは自分たちとあともうひとつ西洋のだけ、と繰り返しやってるので、これは敵が多いだろうと思ってました。案の定講演会の質疑応答では、PMSの井戸は現在どれくらい稼動してるのですかという質問があったり、「言ってることとやってることがちがうじゃねーか」と大声出して走り去る男性がいたりしました。私はこの映画の最中も相変わらず途中意識を失ってましたので、国会演説と井戸掘りの場面があったか分かりません。ハンセン病で寝てしまい、目が覚めると用水チャレンジが始まっていた。

講演会では、著書とほかのアフガン関係の書籍を読んだスタッフからも、なぜPMSだけ容共ならぬ容タリバンなのか、あまりにほかと論調が違い過ぎて… という素朴な疑問がありました。なにしろ同じ福岡で、かつ同じ精神科医だった帚木蓬生サンまで、タリバン絶対悪の立場から本を書いてるくらいですので、PMSの、タリバン=田舎の神学生という位置づけは、外野から見ると、公平性を欠いてるのではないかと見えなくもない。

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それに対し中村医師は、とつとつと、タリバンのキリトリ風評被害、例えば、女性は医師の診察が受けられない、は、とんでもないデマで、男性親族の立ち合いがあれば男性医師の診察をふつうに受けられる、など、実例をひとつひとつあげて説明していました。患者の近親男性立ち合い前提なら、日本でもときどき破廉恥医師が引き起こす、麻酔や睡眠薬を使った性犯罪など起こりえませんね。理に適ってると言えなくもない。

そしてもうひとつ、中村医師は、あくまで自分たちが会ったり接したりした範囲のタリバンに対してこういう印象や考えを持っているとしています。イラン代表アジジみたいな顔立ちのハザラ人が虐殺されたとするヘラートなど西部でなく、PMSはあくまでパキスタンのトライバルテリトリーに近い、ジャララバード周辺で活動してますので、パシュトゥーンが多数派地域と、そうでない地域の違いもあるのかと思います。

この映画は、ほかとのいくつかのあつれきに配慮されているように見え、学校建設のくだりなど、例の別のNPOがやってる、ランドセル寄贈運動で送られたとおぼしき日本の中古ランドセルをひっかついだ子どもたちが映っていました。アフガニスタンにランドセルを送ろう運動、私は重くて機能的でないランドセルわざわざ送るとかだいじょうぶかとしか思ってないかったので、このあたり、現在は、井戸掘り時代とはちがって、ほかともwin-winな関係を築こうとしているのかもと思いました。電波ニュース社の編集姿勢がそれなだけなのかもしれませんが。

また、PMSが建設したモスクにはマドラサという宗教学校が併設されとある箇所で、マドラサ原理主義者養成所となりやすく、過激派の温床という見方があることを鑑みたのか、運営は現地にゆだねているとありました。何かあっても責任外。と、いうわけではないか。

サトウキビも栽培するようになったという箇所は、朝日新聞社の本『カラシニコフ』だったと思うのですが、ソ連アフガン侵攻時代、ソ連兵は村に入ってアフガン人女性を買う際、砂糖と交換でヤっていたとあり、どんな社会でも進駐軍相手に春をひさぐものがいる状態でないと営めない社会は屈辱的なので、メチャクチャ誇り高いというかプライドの高いパシュトゥーンがどう思ったか想像にあまりあります。黒糖自作の場面の歓喜を見て、どうしてもそれを思い出さざるを得なかった。

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この映画には緑化後出現したバザールの場面があり、以前グーグルマップでバザールの口コミに、写真を撮ったり載せたりしないでくださいと翻訳出来たパシュトゥー語文章の書き込みがあったのを思い出しました。治安悪化をよそに一ヶ所だけ富むことは、それだけでならずものの流入を招きかねない。映画には出ませんが、マルワリード用水は書類偽造で乗っ取られかけたことがあるそうで、地元の役人がサーヒブ・ナカムラの味方になってくれたので防げたとか。そういうこともあって、親タリバンというわけでもないと思いますが。

チラシに、「専門家がいないまま始まった前代未聞の大工事は」とある部分、映画でも、現地の資金力とマンパワーのみで維持可能な工法で、というふうにちらっと書いてましたが、要するに専門家はあの日本のどこにでもある、コンクリでガチガチに固める護岸工事の工法しか出来ないので、なので頼れないというか、アウトオブ眼中という考えだったはずです。大金を投じて、補修不可能なほったらかし状態で終わることが目に見えている。井戸掘り時代にほかが掘ってすぐ枯れた井戸のコンクリ枠も至る所にあったでしょうし。せめて、江戸時代の技術者がタイムスリップしてたら、頼れたのでしょうけれど。

パワーショベル同士が川を挟んでグータッチする場面は、医師の逝去後のコロナカの光景だと思うのですが、よかったです。

すべての批判を覆す力が、ガンベリ砂漠の緑化前緑化後の映像にはあり、その資金のすべてを(三十億円でしたか)日本の支援者が叩き出し、最大限有効に使ってこましたという点で、こんな誇れることはざらにないと思います。鳴かぬなら、殺してしまへ不如帰。私は今でも、アフガン支援でバッティングする中国などが、協業を断られて、挙句凶行指嗾という線を否定出来ないのですが、何はともあれ、欧米人観光客が「フンザハット」と軽く呼ぶあの帽子をかぶった中村医師の映像を見れて、よかったです。

اوره په دی خاوره له کرونده کی بني او محبته خ څه نه کرو

以上