シネマリンに映画を見に行くついでに、見ました。
企画展・収蔵コレクション展18「没後50年 獅子文六展」 | 神奈川近代文学館
こんな顔のオッサンですが、二度も奥さんと死別してるという。今回展示見るまで、あまりそこを考えてませんでした。それで三回目、相手も再婚ですが、また結婚するという。以前私が「ラナット・チャンヨン」と誤記した、マナット・チャンヨンの小説の主人公よりは中和された人生だったのだなと。
妻喰い男 : マナット・チャンヨン短編集 (井村文化事業社): 1991|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
ママハハを迎える元気な長女の物語(獅子文六の願い、願望)もまたちくま文庫で読めるという。
下記は館内で唯一撮影可能なパネルの部分拡大。
撮影・林忠彦
本来縦長の写真を看板では四つ切にしてるので、このフタ付カップが写ってないという。中国みたいなカップだと思いました。中国のようにお茶ッ葉ごとお湯をブチこんで飲んでるのだろうか。
『バナナ』のようにそのものズバリ華僑を主人公にした小説も書いてるわけですが、白身汁を「燕巣(「つばめのす」とルビを振らず、「えんす」と読ませてる)に例えたり、結成した文壇ゴルフサークルは、OB "Out of bounds" から「青蕃会(あおばんかい)」と名づけていたり、それなりに知識はむろんあったんだろうなと。
パリ留学してて、戦中は愛媛に疎開で、どこで知識を蓄えたかは分かりませんが。やっぱり横浜なんかで暮らしてたからかな。あと、グルメだったからか。
私はギンポなんて魚、見たこともありません。当然天ぷらも食べたことない。
胃潰瘍の手術直後に宮内庁の漁場で獲れた鮎を26匹食べたとか、老人には牛肉より馬肉とか、エピソード、持論も展示で見れます。
上記の写真は、平塚の和菓子屋さんでも使われています。
みんなが笑顔になれる街 駅近キラキラ商店街 平塚 中村屋 獅子文六が愛したどらやき「大番」 - Stantsiya_Iriya
獅子文六は、ちくま文庫が21世紀に再発見して、装幀家やイラストレーターにとって大いにチャレンジになった作家ですので、その辺の火花散る作品紹介も見ものでした。モトがいいのに、リライトならぬ、つけかえのカバーや帯で売れんかったらかなん、みたいな。
再発見されブームになった一冊は館内ワークシートの問題になってるので割愛するとして、戦前婦人誌に連載して、そのワンパクな主人公が女性読者にウケたので、作者が大衆娯楽作家として生きていける自信がついた『胡椒息子』、東急と小田急の観光覇権を巡る抗争を描き、今に至る中央林間の両駅の微妙な距離感を納得させる『箱根山』、「飛んでもハップン」等の造語で知られる『自由学校』等々、付け焼き刃のウンチク元ネタにはもってこいの場所でした。
速報!2021年3月13日(土)~25日(木)
文学座アトリエの会「コーヒーと恋愛」
原作:獅子文六(「コーヒーと恋愛(可否道)」より
これは、某書店で撮りました。
申し訳ないので、この店で新潮文庫のサガン『ブラームスはお好き』買いました。
常設展の記事も書きたかったのですが、長くなったので、分けます。
奇跡のコラボ
崎陽軒×獅子文六
神奈川限定カバー
崎陽軒のシウマイが全国区になったきっかけはコレ!
『やっさもっさ』と「崎陽軒のシウマイ」
本作に登場する花咲千代子の職業「シュウマイ・ガール」は、崎陽軒が1950年に横浜駅で仕掛けた「シウマイ娘」という販売員がモデルとなっています。当時、大磯に住んでいた獅子文六は、東京との往復で見かける彼女たちに新しい風俗をみて、1952年に発表した本作に取り込んだと思われます。翌年には映画化され大ヒット。崎陽軒のシウマイが全国区になるきっかけにもなりました。
よこはま 横浜 YOKOHAMA
↑横浜駅で活躍した実際のシウマイ娘
やっさもっさ 獅子文六 ちくま文庫
講談社の乃木坂文庫みたいなもので、文庫のカバー取り替えるなんか簡単だろ、と思ってはいけないのだろうと思います。
スペシャルなお知らせ
獅子文六『やっさもっさ』×崎陽軒シウマイ
奇跡のコラボレーション
崎陽軒「昔ながらのシウマイ」パッケージデザインカバー付限定版『やっさもっさ』
しかし、妻喰い男だったとはなァ。バロンサツマとは、あまり重ならないと思います。親の遺産使ったパリ留学も、その後の演劇と文学で十分モトとれたろうし。
<私の日記の、獅子文六関連>
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『酔っぱらい読本・伍 -A BOOZE BOOK 5-』読了 - Stantsiya_Iriya
『アンソロジー ビール』読了 - Stantsiya_Iriya
『『洋酒天国』とその時代』読了 - Stantsiya_Iriya
『続・酔っぱらい読本』 (講談社文芸文庫)読了 - Stantsiya_Iriya
『酔』(日本の名随筆 66)読了 - Stantsiya_Iriya
以上